日経レストラン 2004年2月号 掲載記事紹介




募集
「人が採れない」−理由は募集戦略の間違いにあった

「募集をかけても使える人材が来てくれない」・・・・・・。
こう嘆く経営者は多い。確かに、人を採りにくい立地や業態はある。だが、採れない理由はそれだけではない。人材募集のプロ達は、「募集戦略の無さが大きな要因」と声を揃える。
では、具体的にどうしていけばよいのか。"使える人材"を確保するには、まず応募件数を増やして選択肢を広げることが大切。そのためのコツをはじめ、人材確保の秘策の数々を紹介する。

求人広告は採りたい層で使い分け
求人広告を出す際にまず考えるべきは、出す場所だ。「『募集=求人誌』と思い込んでいる店は多いが、今や求人誌だけが募集手段ではない」と人材募集に詳しいリンク・ワン(東京都渋谷区、河原庸仁社長)の西山公人氏も指摘する通り、ネットなど職場を探す手段が急激に広がっている現在、主婦、フリーターなど、年齢や生活パターンによって探し方は様々(下グラフ)。立地や業態にもよるが、主婦を採りたいなら折り込みチラシ、フリーターや学生ならフリーペーパーも考慮するなど、採りたい層に応じて媒体を変えたり、複数の媒体を組み合わせることが必要だ。
次に重要なのはアピール方法だ。求人誌「フロム・エー」の平賀充記編集長は、「最近は昔ほど『時給第一主義』でなくなっているし、飲食店の場合、そもそも時給を上げるのは難しい。時給以外の価値や共感できる要素を強調することが大切」と話す。
例えば、「将来店を持ちたい」など先を見据えている人は「スキルが身に付くか」を重視するので、「調理師免許などの資格の取得支援」といった特徴を打ち出すと効果的。また、所属先を持たないフリーターには「仲間ができそう」、学生には「制服がお洒落」という点も魅力になるので、店やスタッフの雰囲気が分かる写真を載せるのも一策だ。
広島県東広島市の「ビストロ・パパ」は、姉妹店オープンの際、既存店の販促チラシ上で新店スタッフを募集したが、そこに店やスタッフのカラー写真を載せた。これを新聞の折り込みで配ると共に、近隣の大学の掲示板に貼ったところ、求人誌に出した文字だけの広告より圧倒的に効果があり、100人以上の応募があった。"カラー写真効果"だ。もちろん、雰囲気だけでなく、条件や待遇に関する情報も大切。特に仕事の内容は、要求レベルが分かるよう具体的に書くのがコツだ。ただし、「茶髪厳禁」「週5日以上」など、応募のハードルをむやみに高くする条件は禁物。応募者が減るし、実際に会って「髪を黒く」と頼めば応じてくれることも案外多いからだ。
受付体制の不備が盲点になっていることも多い。「忙しいので後で電話して」と言われて掛け直す人はまずいないので、あらかじめ担当者名や受付時間帯を明示する、募集のことを既存スタッフにも伝えるなど、応募の受付漏れを防ぐことも肝要だ。

今どきの若者をつかむなら携帯電話
「従来の方法に固執しては、人がいよいよ採れなくなる」と、携帯電話を活用した募集を新たに始め、募集効率をアップさせたのは、牛タン店「新宿ねぎし」を展開するねぎしフードサービス(東京都新宿区、根岸榮治社長)だ。同社はこれまでずっと求人誌を利用していたが、2〜3年前から応募者数が減少し始め、しかも、理想の人材とは違う外国人の応募が増えたという。そこで、若者の必需品である携帯電話に注目。求人情報や応募受付フォームを載せたホームページを作り、2003年3月から求人誌の広告の片隅にアドレスを載せるようにした。8月からは、店頭ポスターで携帯電話のアピールも始めた。すると24時間気軽に応募できるためか、恒常的に応募が来るようになった。さらに店ごとに行っていた応募受付を本部に一括したことで、「A店は一杯ですが、B店はどうですか?」と応募者を他店に振り分けられるようになり、募集回数も減った。その結果、既存店(12店)の2003年5〜9月の募集コストは前年比100万円減に。今ならではの戦略が奏効した。

 
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