飲食店経営 (11月号) 2003年10月20日付 掲載記事紹介




携帯電話サイトを活用して求人コストの低減と効率化を実現

携帯電話(以下携帯)の所有台数は7700万台を超え、そのうちインターネットを利用できるブラウザーフォンは6500万台を突破している。 人事採用シーンにおいても、ネット活用は必然の時代になってきている。そんな中で正社員・アルバイトの採用、特に販売や外食といった接客系の採用において効果を出しているツールがある。その名は「エム採用」。キイストンが運営する携帯版採用支援ツールである。 キイストン代表取締役の細見昇市氏にお話を伺った。

−エム採用を開発されたきっかけは?
私どもは人材採用に特化した求人広告代理店でもあるのですが、"仕事探し"ということに一昔前は負のイメージがありましたから、情報誌を買っても「家で一人で見る」という感じでしたよね。ところが最近はカフェとかファミリーレストランとか、そういった場所で堂々と読んでいる。友達と一緒に楽しみながらと・・・・・・。 また、電車に乗って観察すると分かるのですが、ここ最近乗客の多くの人が携帯メールを見ているんですよ。最近は若い方ばかりではなく、40歳以上の中高年まで広がっていますね。そういった中で、より気軽に手軽にいつでもどこでもというわけで、携帯にフォーカスしたのです。

―採用ツールとして効果が出た背景は?
携帯の幅広い普及が大きいですね。それと、採用に積極的な企業はホームページを結構充実させていますが、携帯用サイトはほとんどありません。内勤の方ならともかく、店舗勤務や外回りされている方はなかなかパソコンは見られませんよね。でも携帯なら移動中や休憩中でもパッと見られます。実際、非常に効果があったのは販売や飲食といった業界ですから。入り口を広く、敷居を低くといった感じでしょうか。

−企業としてはどのように利用するとよいのでしょう?
エム採用を利用した自社の携帯版ホームページは、月額にすると3万円程度という非常にコストの安いツールですから、他の媒体とのミックスが一番効果があります。求人誌での自社広告に自社の携帯版ホームページのアドレスを載せたり、名刺に入れたりと。自社サイトに携帯版ホームページアドレスを載せて、大半の企業が成功しています。最近反応が良かった例としては、新聞の折り込み広告(求人ではなく販売広告)に「求人はこちら」という感じでアドレス載せたところ、たくさんのエントリーがありました。

−採用側と求職者双方のメリットは?
採用側としては、とにかくアクセスが増加するということです。導入いただいた企業を例に取ると、従来の応募数を10人とすると、アクセス数では約5〜10倍以上の増加があります。ドコモ、au,ボーダフォンも対応し、ホームページ作成や更新も簡単に、担当者レベルですぐにできるという手軽さも魅力です。 それから、アクセス解析が簡単にできるので、無駄なコストが省けます。いろいろな媒体を使っている企業だと、媒体や原稿の良しあしがはっきりと分かってしまいます。「この求人誌は使える」とか、「これはイマイチ」とか、「この原稿よりも前のほうが良かった」なんてことが見えてくるわけです。 仕事を探す側としても、パソコンはないが携帯は持っているという方が多い現在、都合の良い時間に見ることができ、24時間いつでもエントリー可能な手軽さが受けています。友達に紹介する機能もあるので、「友人に教えてもらった」なんてエントリーも少なくないんですよ。

本格フレンチ経験者がヒット
1998年の設立から3年で上場し、ハウスウエディング業界で急成長しているテイクアンドギヴ・ニーズ(http://www.tgn.co.jp)は、お客様のニーズを敏感に反映させたブライダルが大人気の企業だ。 「基本とするのは本格的なフレンチです。ただ、当社が求めている人材は、単なる調理人ではなく経営感覚を持った方です。斬新なアイデアがあり、トレンドに敏感でなければ、目の肥えたお客さまのブライダルには応えられません。調理人としての経験が豊富な上に、新しいものを取り入れている柔軟な人が欲しかったのです」(取締役・羽毛田昌寛氏)
同社がエム採用を導入したところフレンチ歴10年というシェフが採用できたそうだ。手軽なツールとはいえ、幅広い層が利用しており、ユニークな人材獲得にも有効なようだ。

シェフもアルバイトも携帯で採用
「イゾラ」「キオラ」や六本木ヒルズで話題の「サドレル/レスタジ」など、全店違うコンセプトのレストランがすべて大ヒットしており、東京のディナーシーンで注目の企業がグラナダ(http://www.granada-jp.net)である。 同社ではアルバイトから社員募集まで、さまざまな媒体でエム採用による携帯版ホームページのアドレスを掲載したところ、予想を上回るアクセスがあったそうだ。 「最近はレストラン情報も携帯でチェックするのが当たり前。新しいツールを使いこなし、情報をリアルタイムで手に入れるという携帯世代は、仕事探しも親指1本でパッとやるわけです。決して安易な動機というイメージではなく、質を伴った人材が数多くエントリーしてくれますね」(営業開発部部長・内野知研氏) 飲食業界ではよくある「人気店=求人難」という図式は、同社には無縁のようだ。求人用のポータルサイトは大小各種ある。携帯用もしかりだ。そういったサイトとエム採用との違いは何か。 「求人サイトでは会社やお店の知名度でアクセスが相当違うし、詳しい情報を載せようとすると相当なコストが掛かります。しかも掲載期間はそれほど長くはない。アクセスが少なかったら丸損ですよね。その点エム採用では、低コストで各社それぞれのカラーを出せるページ構成が可能です。また、ポータルでは会社情報にたどり着き、そしてエントリーするまでに多いときで10回前後はクリックしなければいけません。しかし、エム採用による自社ホームページのアドレスをさまざまな媒体に掲載すれば、ダイレクトに企業情報へとつながるので、見る側にも非常にストレスが少なくて済みます」(細見氏) 使い勝手がいいというのは採用側と求職側共通の感想である。

新サイトin-職の展開
キイストンではエム採用の実績を基にフードビジネス専門の携帯サイトin-職を10月にオープンした(http://in-shoku.jp)。 コンセプトは「素敵(すてき)なお店とイケてる人財(・・)の出会い」。細見氏が飲食産業に注ぐ思いは熱い。「飲食産業にはいい経営者が多いんです。人間的に素晴らしい方がね。ただ、どのお店もサービスする方が素敵じゃないとどうにもならないわけです。もっと多くの優秀な方に、飲食業界に興味を持っていただけるようにお手伝いしていきたい」(細見氏) まずは新卒採用を中心に、業態別やエリア別などの検索機能や学べるコンテンツ、コミュニケーションツールなどを入れて、調理師学校や大学などでの告知を強化する。既に、人気の名店が多数参画予定とのことだ。携帯は数ヵ月単位で激しく進化しているツールだ。今後は動画機能も充実してくるなどで、さまざまな使い方が出てくるに違いない。
 
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