月刊食堂 2002年7月号 掲載記事詳細




エム採用
人材採用の補完ツールとしてモバイルに登場。
3キャリアに対応し携帯世代に訴求効果発揮


 インターネットの世界的な広がりの中、eコマースと呼ばれるインターネットを利用した商取引が、国内においても、今後の経済活動には必須になるのは間違いない。
 経済産業省、電子商取引推進協議会、NTT経営研究会の発表によると、日本におけるBtoCの市場規模は、2006年には、16兆円になると予測されている(2001年で約1兆5000億円)。
 インターネットで商品を販売する、オンラインショッピングの増大に加え、携帯電話の着信メロディなど、モバイル市場でもさらに需要は拡大すると考えられており、eコマースに至っては、まだまだビッグマーケットになる可能性が秘められた市場なのである。
 この市場に、新しいジャンルで参入してきた企業がある。「エム採用」を運営する、(株)キイストン(細見昇市代表取締役)である。創業は1992年。全国の求人メディアの検索から人材採用コンサルティングまでを行なう企業だ。エム採用とは、携帯電話のホームページを利用した、人材採用支援ツール。携帯電話世代にダイレクトの訴求できる、新しいシステムである。
 フリーターの総数が、300万人とも400万人とも言われる昨今、飲食店のアルバイト・社員求人に対する反応は、決して悪いものではない。大学生のアルバイト意識調査の中で、やってみたい職種の上位に、飲食店は必ずランキングされる。
 しかし問題は、いかに優秀な人材を採用できるかである。ある求人情報誌によると、アルバイト募集の記事を見て、10件の問い合わせがあると、面接にくるのはその内の5〜6人というのが現状だという。履歴書の連絡先に、携帯電話の番号しかない者は数多い。自宅に電話を引いていないために、面接の連絡がなかなかつかないという経験をした採用担当者も多いのではないだろうか。
 エム採用は、このジャンルに目をつけたのである。
携帯電話世代に訴求効果大。利用者も簡単に操作が可能  携帯電話によるインターネット利用者数は、2002年3月末現在で約5200万人(電気通信事業者調べ)。飲食店の雇用対象者となる年齢層の利用率は、かなり高いことは容易に想像できる。
 「エム採用は、求人の集合サイトではなく、各社ごとに独自の携帯電話のホームページを持つことができます。しかも、画面制作費は5ページまでは無料。ページの制作・変更も簡単にできるような工夫をしています。リアルタイムに編集をして、掲出することができるのです。ページの基本企画のテンプレートを数多く用意しているので、伝えたいことを、ターゲットに合わせて利用することができます」と細見氏は説明する。
 エム採用の優れた点に、3キャリアの携帯電話(NTTドコモ、au、J−PHONE)に対応しているということがある。
 従来、それぞれに対応する画面を制作する場合には、それぞれに制作費がかかっていた。そうなると、制作費は3倍かかってしまう。エム採用では、3キャリアに対応しながらも制作費は無料なのである(5ページ分)。
 さらに、待ち受け画面や掲示板、アンケートの設定、パスワード認証システムなど、複雑なページもボタンひとつで作成が可能。写真や地図の導入も、ワードを使えるレベルで使用することができる。また、ページ訪問者のアクセス解析も、簡単に一覧表示できてしまう。

利用料金が廉価で済むのはあくまで補完ツールだから
 基本料金は、システムの使用料が、月額5000円(5ページの基本企画)。5ページ以上つくる場合、1ページ当たり900〜1000円が追加される。契約期間は、6ヵ月ごとの更新を基本としている。しかし、これだけ廉価でできるのは、なぜなのだろうか。細見氏はこう答えてくれた。  「われわれは、このシステムを売って商売をしているわけではありません。エム採用は人材採用の支援ツール。求人誌などで募集をした場合の、あくまで補完媒体という捉えかたです。ですから、これで儲けるつもりはありません」
 本業の人材採用ビジネスのマスを広げるための、戦略ツールなので安く提供できるのだという。
 2002年1月にスタートしたばかりのエム採用。知名度・浸透度はまだまだだが、年度内の扱い目標件数は、1000件という。そのうち飲食店関係の占める割合は、約7割を想定している。携帯電話世代への訴求に、友好的に活用して欲しいと細見氏は言う。
 エム採用の場合、提供するのは独自のホームページなので、アドレスを名刺や他媒体に掲出することができる。モバイル用の検索エンジンに登録をすれば、アクセス数も飛躍的に伸びることが考えられる。そういったオプションにも、エム採用は対応してくれるという。
 飲食店用に応募フォームをつくり、オートリターンができるようにしたところ、ある飲食関係のチェーン店では、通常の10倍近いアクセスがあったという。ユーザーにすれば、履歴書を書く手間も、郵送する手間も省けるわけだから、応募が増えるのもうなずける。採用の補完ツールとして登場したわけだが、飲食店が、どう利用したいかを明確にすると、いろいろな可能性が広がってくるようだ。 (文/五十嵐優)



 
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